(感想は発売後1週間程度のもの)
【開発】Spiral Game Studios
【販売】Steam($9.99)
【プレイ時間】2時間ちょっと
【評価】神。100年に1度あるかないか
ING 9.8/10
wave型サバイバルの革命児
G3TV 9.7/10
爽快感の塊
GemaSpot 10/10
非の打ち所がない完成度
要点
・バグとフリーズだらけで最後まで進むのが非常に困難
・起動するたびにオプションが初期設定に戻る
・マルチは入るまでが大変。入ってもクラッシュするので油断できない
・鯖一覧が人数やPingなどでソートできない
・人もBOTもいないのに人数が加算されている謎仕様
・パッチがあたる度に鯖が不安定になる
・オンラインマニュアルがリンク切れのまま放置
・あきれるほど稚拙なSE、爽快感無し
・敵がたったの3種類
・岩の間にハマるなど敵のAIも最悪
・その場で倒れる恐竜
・地面や各オブジェクトにめり込む恐竜
・かなり不親切なUI。買い物画面で所持金が表示されない前代未聞の仕様
・所持金や武器の引き渡しはできない。途中参加が完全に不利
・平らな地面で転倒するビークル。地面をすり抜けるVTOL。
・窪みに落とされるとゲームをやり直すしかない。しかも再起動しないとゲームが始められない
・使ってないキーを押したら10秒ほどフリーズ
・プログラム名が「Unreal Development Kit」のまま
・「(出来が悪いのは)Steamが未完成品をリリースしたから」とスタッフの言い訳
・実績アイコンが他画像からのトリミング
感想
2011年…。アンリアルエンジンの無駄遣いにより、多数の「グラフィックだけは良い」iPhoneゲームが量産され、Co-opゲームもその煽りを受ける。
TPSの傑作「The Haunted: Hells Reach」は、Co-opゲームでありながらも協力する必要が皆無であり、
多数のユーザーをライダーキックでどん底へと蹴落とした。
その後もCo-opゲームは不作が続く。かくして暗黒時代は始まるのであった。
そして今年、2012年も折り返しを迎える時期。
ゲーマー達の間には、ひとつの疑問が生じていた。
Co-opゲームは一度、黎明期に立ち返るべきではないのか?
「ORION:Dino Beatdown」は、我々の疑問に対するSpiral Game Studiosからの回答であり、挑戦である。


「ORION:Dino Beatdown(以下このクソゲー)」は、
迫り来る恐竜から身を守る、シンプルなサバイバルFPSに、ログインオンラインのエッセンスを加え、
新機軸のクソを作り上げることに成功した、アンリアルエンジンの無駄遣いである。
マルチはまともにサーバーへ入ることができず、度重なる仕様変更により鯖管も発狂。
誰も接続していなくても人数の項目に4/5と表示されるので、初心者も安心して接続することができる。
ってかソートできないのどうにかしろ。
サバイバル系Co-opにしては珍しく、ソロが盛況であることも見逃せない。
オプションも周回を前提とし、これだけで1つのゲームとして成立するボリュームがある。
ちなみに再設定は過去に3度ほど行っている。
起動する度にデータが壊れ、新鮮な気持ちで楽しむことができるシステムは評価したい。
本作のキモはやはりゲームにある。
ゲームの内容は一般的なWave型サバイバル。
マップ上にいくつかあるジェネレーターを一台起動するとWave開始、
エリア内に現れる恐竜を殲滅し、全てのWaveを乗り越えたら次の拠点へ…というのが一連の流れとなっている。
プレイヤーが扱えるクラスは3種類存在する。
ジェットパックでの飛行能力により、窪みにスタックしても退室する必要がないAssault、
初期装備が強く、途中参加でも篭ってひたすら撃っているだけで殲滅できるSupport、
EMPグレネードの性能が高く、Supportの存在意義を殺している遮蔽能力持ちのReconと、
この説明で正しいのかどうかわからない特性を、それぞれ持ち合わせている。
マニュアルがあればいいんだけど、リンクが消滅してて読めない。クソ。
プレイ中はスペックを問わず数多くのクラッシュが発生し、マンネリ化することは決してない。
Waveが進行しないなど致命的なバグも多発し、ゲームクリアは困難を極める。
マルチのログインも含め、繰り返し末永く遊べるCo-opゲームとなる可能性を秘めている。
ゲームの進行には、ジェネレーターの起動が欠かせない。
ジェネレーターが動作することで、近くの施設にエネルギーが供給され、
武器やビークル、アビリティなどのアイテムを購入することができる。
アイテムの購入にはキャッシュが必要だが、肝心のキャッシュが買い物画面に表示されず、
あらかじめHUDを見て確認しなければならない、非常に不親切な設計になっている。
ジェネレーターが恐竜に破壊されると、修理するまで施設を利用することができなくなる。
修理はどのクラスでも行うことが可能だが、少し時間が掛かる。
SupportがEngineerアビリティを購入することで、手早く修理できるようにできる。
だがEMPグレネードを投げれば一瞬で修理することができるうえに、
初期装備にEMPグレネードを持っているReconが、立ち回りにおいてSupportよりはるかに有利なため、
Supportのウリである修理能力が、まったく活きてこないのも問題となっている。
まともにゲームが進まないことに比べれば、些細な問題ではあるが。

クラス選択画面。これだけでは何がなんだかわからない。

武器や車を買うのに、起動する必要があるジェネレーター。Eキーを押せば起動できる。
恐竜に壊されたらEキーで修理。だがEMPグレネードを投げれば一瞬で修理できる。
仲間の援護を待つ必要なんてまったくない。

本作では恐竜を倒して集めたキャッシュで、武器の購入やアップグレードを行う。
クラス選択画面同様、あまりにも簡素なUIで、画面に所持金が表示されない前代未聞の仕様。
買ったのか買ってないのかもハッキリしない。
敵の種類は3種類と多めで、建物内に顔をめり込ませてきたり、スタックしたりと、その行動様式もバリエーションに富む。
俊敏な動きでプレイヤーを翻弄するRaptorや、上空から奇襲を仕掛けるRham-Phorhynchusや、
その巨大な体格と圧倒的なパワーで目に付くもの全てを破壊しつくすT-Rexや、
気が付いたら建物の上にもいるRaptorや、建物の中で芋ると全然怖くないRham-Phorhynchusや、
そもそも建物に入れないT-Rexや、
その他RaptorやRham-PhorhynchusやT-Rexなど…。
ここで挙げるとキリがないので、残りの恐竜は実際にゲームをプレイして確かめてほしい。
襲い掛かる恐竜のAIは非常に優秀。
岩に引っかかったり、狭い場所にもぐってくるくる回り始めたり、
攻撃を食らうと棒立ちし始めたり、恐竜の思考レベルには畏怖の念すら抱く。
無論、恐竜を撃ち抜く爽快感もまったく無い。
撃たれた恐竜は、豪快に吹っ飛んだり、体がはじけ飛んだりすることはない。その場で倒れるだけである。
たとえショットガンでぶち抜いても、ロケットランチャーで直撃させても、彼らが吹っ飛ぶことはない。
ごく希にほんの少しだけ飛ぶこともあるが、
ドスランポスはもちろん、DOOMの敵のほうがまだ吹っ飛ぶのは言うまでもない。
豆鉄砲の方がまだマシな発砲音&稚拙なエフェクトと共に、
恐竜がバタバタ倒れていくその様子は、まさに太古の恐竜狩りそのものである。

めんどくさそうに死ぬところが本当に腹立つ

体がデカイのにわざわざ木の間を通り抜けようとしたり、恐竜のAIも非常に優秀。
敵のスタックには十分注意しよう。
舞台となるマップも3種類あり、1つ1つがかなり広い。
各マップのフィールド面積はARMA2やFUELを余裕で超える(推定)。
端から端まで徒歩で移動する場合、リアルタイムで14時間はかかるだろう。
そしてそのうち14時間は、再起動や整合性の確認などに費やすことになる。
移動の際はビークルが必須。

本作最大の敵、窪み。何かの拍子でハマらないように気をつけろ。

マップの探索には欠かせないのが乗り物。バイクやVTOLに乗れる。
着陸時、地面をすり抜けて異世界へと落ちてしまったりする。
暗黒の時代、先の見えないCo-opゲームに、一筋の光を照らす「ORION:Dino Beatdown」。
FPSとしての出来は、黎明期どころかジュラ紀へと立ち返りつつ、
ログインオンラインとしての完成度の高さ、頻発するクラッシュやバグ、
篭ると建物の周りをうろうろするだけの不自然な恐竜のAIなど、
数々の新しい要素で、ユーザーを惹きつけることに成功した。
新世代Co-opゲームの革命児と言っても、過言ではない。
本作には瞠目すべき他作品のオマージュが非常に多い。
例えばアチーブメントのアイコンは、そこらへんの画像をトリミングしたものである。
スタッフのユーモアセンスに賞賛の意を込め、このクソゲー語りを締めくくりたい。
ちなみにクソゲーの法則の通り、BGMは良い。



